ボーイング737型機
ボーイング737−100/−200型機
1965年2月、ルフトハンザ航空から21機の発注を受け、ボーイング737−100型機は1967年4月に初飛行に成功した。
しかし、この"−100型機"は太い割には短い胴体長だったため当初から空力特性が想定値に達せず、早々に胴体を1.83m延長して12座席増やした改良型の"−200型機"が計画され、"−100型機"の初飛行のわずか4ヶ月後にはこの"−200型機"も初飛行に成功した。
結果的には"−100型機"は30機しか生産されず、以後、"−200型機"が主力生産機となった。
ボーイング737−200型機
ただ、この"−200型機"、販売開始の初期段階からスラストリバーサー(エンジンの逆噴射装置)の不具合などが発生、各航空会社からの評判は必ずしも高くはなく、"飛ぶように"は売れなかった・・・。
そこでボーイング社は、クルーガー・フラップや高揚力装置、エンジン・ナセルフェアリングの改良、客室内をジャンボジェットで採用し好評だった様式(一般的には"ワイドボディ・ルック"と呼ばれていた)に改装し、エンジンも従来のP&W社製のJT8D−9型(推力14,500lb、約6.6t)からJT8D−15型(推力16,000lb、約7.3t)にパワーアップしたボーイング737−200Adv.(アドバンス)型機を開発した。
この"−200Adv.型機"は1971年5月から引渡しが開始されたが、離着陸性能と信頼性が向上したことでその後着実に販売数を伸ばし、最終的には1,095機が生産されベストセラー機となった。
それまでのジェット機では営業運行が不可能とされていた1,500m級の滑走路を維持するのが精一杯だった当事の日本国内の離島や地方空港のジェット化を実現したのはボーイング737−200型機シリーズだった。
ボーイング737−300/−400/−500型機
1980年代に入り、ボーイング727型機、737型機シリーズの後継機として開発されたボーイング757型機であったが、当初計画よりも機体が大型化し価格も上昇してしまったことからこの機体ではカバー出来ない市場ニーズを満たすためにボーイング737の発展型が開発されることになった。
その結果、ボーイング737−200型機の胴体を主翼前方で44インチ(約1.12m)、後方で60インチ(約1.52m)延長し、主翼、水平尾翼、垂直尾翼の改良、低騒音・低燃費を実現するためにエンジンをGE/スネクマ社製CFM56シリーズに換装するなど、進化したボーイング737−300型機が誕生した。
ボーイング737−300型機
アビオニクス(電子航法支援装置)は最新式のデジタル・フライトマネージメント・コンピュータが標準装備され、ボーイング757/767型機で採用された新機構が随所に盛り込まれるかたちとなった。
のちに、さらに胴体を"−300型機"よりも主翼前方で66インチ(約1.83m)、後方で48インチ(約1.22m)延長した"−400型機"や、反対に胴体を"−200型機"とほぼ同じ長さまで短くした"−500型機"が作られた。
ボーイング737−400型機
ボーイング737−500型機
最終的には、"−300型機"、"−400型機"、"−500型機"は合計すると1,988機が生産され、これらの総称として、ボーイング737NG(New Generation)シリーズと呼ばれていたが、のちに登場する"−600〜900型機"がボーイング737NG(Next Generation)と呼ばれるようになり紛らわしいので最近では"クラシック"と呼んでいるようだ。
ボーイング737−600/−700/−800/−900型機
1990年代に入ると、ライバル機であり最新装備を満載したエアバス社のA320型機シリーズが販売実績を大幅に伸ばし、ボーイング737型機シリーズは販売面で苦戦が続いた・・・。
そこでボーイング社はボーイング737型機をさらに進化させることを決めた。
この新機種は3つの胴体長さの違う機種を生産することが当初から決められていた。
新しく開発された"−700型機"は"−300型機"とほぼ同じ胴体長(0.23mだけ長くなった)、"−800型機"は"−700型機"より5.84m長く、"−600型機"は"−700型機"より2.39m短い。
ボーイング737−700型機
ボーイング737−800型機
ボーイング737−600型機
もっともデザインが変わったのは主翼で、翼面積が20平方メートルほど拡大され、尾翼も改良が加えられた。
エンジンは同じCFM56系であるがファンブレードの枚数が削減されるなどの改良がなされたもので、直径も大きくなり従来型よりも燃費、排出窒素酸化物、整備費用の低減が実現された。
また、機体の随所にボーイング777で採用された新機構が取り入れられている。
"−700型機"は1997年2月に初飛行に成功し、ボーイング737NG(Next Genaration)シリーズの時代が幕を開けた・・・。
その後、"−800型機"よりもさらに2.64m胴体を長くした"−900型機"が作られ、これらボーイング737NG(Next Genaration)シリーズは2005年12月末現在までに3,022機の受注を獲得し急ピッチでの生産が続けられている・・・。
ボーイング737−900型機